
技能実習制度の趣旨
外国人技能実習制度は、日本で培われた技術や知識を発展途上国に移転し、その国々の経済発展に貢献することを目的としており、「人づくり」に協力する重要な制度です。
この制度は、従来の「出入国管理及び難民認定法(入管法)」に基づいて運営されていましたが、平成28年の法改正により、技能実習法が新たに制定され、制度の運営がより厳格に規定されることになりました。
重要な理念として、技能実習は「労働力の需給調整の手段として行われてはならない」と法的に明記され、実習生は日本人労働者と同様に労働関係法令の適用を受け、適切な保護がされています。
技能実習制度の概要
技能実習制度は、主に企業単独型と団体監理型の二種類の形態で実施されます。平成28年に制定された技能実習法に基づき、いくつかの重要なポイントが導入されました。
- 外国人技能実習機構の設立
技能実習法に基づき、「外国人技能実習機構」が設立され、実習の適正な実施を監視し、技能実習生の保護を行っています。この機構は、技能実習計画の認定や実習実施者の届出、監理団体の許可申請の受理などを行い、全国に13の地方事務所を設置して、各地でサポートを提供しています。 - 技能実習計画の認定制
実習実施者は、技能実習を開始する前に、実習計画を作成し、その計画が適当であることを外国人技能実習機構から認定を受けなければなりません。認定された計画に基づいて実習が行われ、計画通りの実施が求められます。 - 実習実施者の届出制
技能実習を開始する実習実施者は、技能実習を始める際に、遅滞なく届け出を行わなければなりません。これにより、実習の管理が一層徹底され、適正な実習の実施が保障されます。 - 監理団体の許可制
監理団体は、技能実習生を受け入れる企業を監督する役割を担い、その活動には主務大臣からの許可が必要です。この許可を受けた監理団体のみが、技能実習生を監督・支援することができます。 - 技能実習生の保護
技能実習生は、労働者としての保護を受けるため、強制労働や不当な取り決めを禁止する法律が施行されています。また、技能実習生が不利益を受けた場合には、機構に相談する体制が整備されており、転籍支援なども行われます。 - 二国間取決めに基づく送出機関の認定
外国の送出機関は、技能実習生の選抜や準備を行う役割を担いますが、新制度では、送出機関に対する規制を強化し、適正な送出機関のみが認定される仕組みが構築されています。また、二国間取決めに基づき、各国政府が自国の送出機関の適格性を審査し、認定された機関のみが実習生を送出できます。
ニュースやネットなどで、技能実習生が「外国人労働者」と表現されることもありますが、技能実習制度の基本理念に「労働力の需給の調整の手段として行われてはならない」と明記されており、そのための法律や体制が整備されています。また、技能実習生の受入れ企業様や監理団体にはその責務があります。
技能実習法では、以下の通り定められています。
技能実習法の目的等
技能実習法の第1条では、制度の基本的な目的として、以下の3点が明確に示されています。
- 技能実習の適正な実施
- 技能実習生の保護
- 人材育成を通じた国際協力(技能等の移転)
この制度は、単なる労働力の確保を目的とするものではなく、将来的に実習生が母国に帰国し、習得した技能・技術・知識を活かして地域社会の発展に貢献することを目指しています。
技能実習の形態
技能実習には以下の2種類の受入れ形態があります。
- 企業単独型:日本企業が自社の海外事業所や密接な関係を有する外国企業から実習生を直接受け入れる形態。
- 団体監理型:非営利の監理団体が関与し、実習実施者に指導・監督を行いながら受け入れる形態。
企業単独型の場合には、一定の事業関係(本店・支店関係、親子会社関係など)や、継続的な国際取引実績などが必要です。関係性の確認が必要な場合は、事前に地方事務所・支所へご相談ください。
国および地方公共団体の責務
技能実習制度の健全な運営にあたっては、次のような役割分担が求められます。
- 国:制度の適正な運用および実習生の保護に向けて、必要な施策を総合的・効果的に推進。
- 地方公共団体:実習生の生活や受入環境に応じた施策を地域の実情に応じて推進。
特に地方自治体は、実習生が地域住民として生活する立場であること、また監理団体の許認可権を持つ場合があることなどから、制度運営において重要な役割を果たします。
実習実施者・監理団体等の責務
技能実習制度の適正な運用のためには、以下の関係者の責任が明確に規定されています。
- 実習実施者:技能実習を行わせる立場として、職場環境の整備や制度への理解、国や自治体の施策への協力が求められます。
- 監理団体:適切な実習監理を行う責任を持ち、制度の主旨に沿った指導や支援を行う必要があります。
- 上部機関(例:都道府県中小企業団体中央会等):実習実施者・監理団体に対し、助言や指導を行う努力義務があります。
技能実習を行わせる体制について

外国人技能実習制度の適正な運用のためには、技能実習生が安心して実習に取り組める体制の整備が不可欠です。
本制度を活用される企業の皆さまにおかれましては、以下の項目を十分にご理解のうえ、責任ある受け入れ体制の構築にご協力をお願いいたします。
技能実習責任者の選任について
技能実習責任者は、技能実習の全体を統括・管理する重要な立場にあり、以下の条件をすべて満たすことが必要です。
- 実習実施者、またはその常勤役員・職員であること
- 他の指導員や生活指導員を監督できる立場にあること
- 過去3年以内に、主務大臣が認定する養成講習機関にて講習を修了していること
なお、拘禁刑以上の刑罰を受けた者や過去5年以内に出入国や労働関連法令違反がある者、未成年者は選任できません。
また、経験の浅い新入社員を技能実習責任者とすることは認められておりません。
技能実習指導員の選任について
技能実習指導員は、実際に技能の指導を担う役割を持つため、以下の条件を満たす必要があります。
- 実習を行う事業所に勤務する常勤の役員または職員であること
- 指導する技能について5年以上の実務経験があること
法令違反歴や未成年などの欠格事由に該当する者は、選任できません。
生活指導員の選任について
生活指導員は、実習生の日常生活を支える役割を担います。以下の条件が求められます。
- 実習を行う事業所に所属する実習実施者の常勤役員または職員であること
- 欠格事由に該当しないこと(上記に準ずる)
特別な資格は必要ありませんが、実習生との円滑な関係構築に努める姿勢が求められます。
帰国旅費の負担
技能実習生の帰国旅費は、企業単独型の実習実施者または監理団体が全額負担しなければなりません。
また、技能実習終了後の円滑な帰国を確保するために、必要な措置を講じなければなりません。
監理団体は、上記の支援や旅費負担に関連する費用を実習実施者から徴収することができますが、いかなる理由でも技能実習生に対して直接的に負担させることは認められません。
技能実習生の待遇に関するもの

報酬に関する基準
技能実習生の報酬は、日本人労働者と同等の技能や責任がある場合は、同等以上の報酬が必要です。
不当に低い賃金設定は認められません。
- 技能検定料や監理費などの負担を理由に報酬を下げることは禁止されています。
- 時間外労働を行う場合には、適正な割増賃金の支払いが必要です(ただし原則として時間外労働は想定されていません)。
- 賃金説明の際には手取り額に重点を置き、控除内容(税金・保険・居住費等)も明確に伝えてください。
さらに、雇用契約締結時には、実際の作業風景を収めた動画などを通して、実習内容を事前に理解してもらう工夫も望まれます。
宿泊施設の確保と基準
技能実習生が健康かつ快適に暮らせるよう、以下のような基準を満たした適切な宿泊施設を確保する必要があります。
- 立地条件の安全性(火災・衛生・騒音等のリスクの少ない場所)
- 避難経路の確保(15人以上の場合は避難階段2つ以上)
- 消火設備の整備・点検
- 居住空間の広さ(1人あたり4.5㎡以上、採光・空調・収納の整備)
- 私有物収納設備は施錠可能・持出不可の備え付けが必須です
- 寝室分離の配慮(就眠時間が異なる場合)
- 炊事場・トイレ・浴室等の衛生管理と設備完備
- 事業附属寄宿舎に該当する場合の届出
- 共用部の消毒等感染症対策
※ 宿泊施設の変更を希望する場合(近隣の物件など)は、条件を満たせば変更可能ですが、技能実習計画の変更届が必要です。
監理費の負担禁止と技能実習生が負担する費用の管理
- 監理費は実習生に負担させることは禁止されています。間接的な負担も不可です。
- 定期的な費用(食費・居住費・水道光熱費など)は事前に合意の上、実費相当額に限り徴収可能です。
価格改定がある場合も、事前に説明・同意を得ることが必須。
技能実習生の人数枠について

技能実習の実施において、受け入れる技能実習生の人数には上限が設けられており、これに基づいて企業は適正に実習生を受け入れる必要があります。
人数枠は、企業の規模や実習の種類によって異なります。以下、基本的な人数枠に関して詳細に説明します。
原則的な人数枠
技能実習の適正な実施と実習生の保護を目的として、各実習実施者が受け入れる技能実習生の数は、企業の常勤職員の人数に基づいて決まります。具体的な人数枠は、以下の基準に従います。
基本人数枠(企業の常勤職員数に基づく枠)
- 301人以上: 常勤職員数の20分の1
- 201人以上300人以下: 15人
- 101人以上200人以下: 10人
- 51人以上100人以下: 6人
- 41人以上50人以下: 5人
- 31人以上40人以下: 4人
- 30人以下: 3人
この人数枠は、企業の規模に応じて決定され、企業はこれに基づいて受け入れることが求められます。

団体監理型の場合
団体監理型技能実習の場合、優良な実習実施者・監理団体においては、人数枠が通常の2倍になることがあります。
これにより、さらに多くの実習生を受け入れることが可能です。
- 第1号技能実習(1年間): 基本人数枠の2倍
- 第2号技能実習(2年間): 基本人数枠の2倍
- 第3号技能実習(2年間): 基本人数枠の4倍
- 特に優良な実習実施者: 基本人数枠の6倍
〇 団体監理型・企業単独型ともに、下記の人数を超えてはならない。
(1号技能実習生:常勤職員の総数、2号技能実習生:常勤職員数の総数の2倍、3号技能実習生:常勤職員数の総数の3倍)
〇 特有の事情のある職種については、事業所管大臣が定める告示で定められた人数とする。
〇 やむを得ない事情で他の実習実施者から転籍した技能実習生を受け入れる場合、上記の人数枠と別に受け入れることを可能とする。
技能実習法の法令遵守について

1.労働基準法の適用
技能実習生には日本人労働者と同様に労働基準法が適用されます。もし労働基準法に違反があった場合、労働基準監督機関に申告することも可能です。これにより、技能実習生は適切な保護を受けることができます。
2.1 人権侵害行為の禁止
技能実習計画を認定するためには、過去5年以内に技能実習生の人権を著しく侵害する行為を行っていないこと、また不正な目的で偽変造文書等の行使を行っていないことが求められます。企業は、従業員として受け入れる外国人実習生が適切に保護され、尊厳を守られるよう配慮しなければなりません。
人権侵害行為の例
- 実習実施者やその役職員による技能実習生への暴行や暴言
- 技能実習生が人権侵害を受けたとして人権擁護機関に申し立てがあり、その事実が認められた場合
- 実習生の預金通帳を無断で取り上げる行為
注意すべき行為
- 必要な指導と称して行う暴言や脅迫(「指示に従わなければ帰国させる」といった発言)
- 物理的な暴力行為(例:殴打や足蹴り、工具で叩く等)
- セクシュアルハラスメントや侮辱的な言動
- 大声での怒鳴り声や不適切な言動
どんな理由があっても、これらの行為は決して許されるものではありません。
企業側は、技能実習生との関係を信頼に基づいて築き、暴力的な指導や不適切な態度を避ける必要があります。
2.2 適切な指導の重要性
技能実習生の指導は、文化や言語の違いを理解し、誤解を避けるために十分な配慮が必要です。
指導に際しては、「やさしい日本語」を使用するなど、分かりやすく、丁寧な態度を心がけましょう。
コミュニケーションの重要性を認識し、信頼関係を築くことが、円滑な実習環境を維持する鍵となります。
過去に起きた具体的な事例
- 建設現場で、作業中に技能実習生を殴打したり、足で蹴った事例
- 仕事を覚えないことに対して「国に帰れ」と言ったり、頭部を平手打ちした事例
- 母国語を使った際に「罰金を取る」と警告した事例
- 土下座を強要した事例
これらの事例に該当する行為は、いずれも重大な人権侵害として、厳重に処罰されることがあります。
3.技能実習の強制禁止
監理団体やその役職員は、暴行や脅迫、監禁などを通じて技能実習生の意思に反して実習を強制することは絶対に許されません。
これらの行為は、厳しい罰則の対象となります。
4.二重契約の禁止
実習実施者は、技能実習計画に反する内容の取決めを技能実習生との間で行ってはいけません。
例えば、法定労働時間を超えた時間外労働に対して、最低賃金を下回る賃金額で支払うことや、出来高制で賃金を支払うことは、労働基準法に反する行為であり、これらは禁止されています。
企業は、労働法規を遵守し、技能実習生に対して適正な給与と労働条件を提供することが求められます。
5.保証金や財産の管理禁止
実習実施者や監理団体、送出機関を含め、いかなる名目でも技能実習生から金銭や財産を徴収・管理してはなりません。
これは実習生本人だけでなく、その親族など社会的に近い関係者も保護の対象となります。
6.契約の不履行に対する違約金等の禁止
監理団体や実習実施者は、技能実習生との間で契約不履行に対する違約金を設定したり、損害賠償額を予定する契約を結んだりしてはなりません。
また、技能実習生に対して貯蓄契約を結ばせたり、その貯蓄金を管理する契約をしてはいけません。
技能実習生と直接契約していなくても、実習実施者と送出機関の間で違約金条項が設けられている場合、実習生が実質的に負担を強いられる恐れがあります。
たとえば、失踪時の制裁金などがこれに該当します。
7.旅券や在留カードの保管禁止
実習実施者や監理団体は、技能実習生の旅券や在留カードを保管することはできません。
また、技能実習生の外出や私生活の自由を不当に制限することも禁止されています。
8.技能実習生のプライバシーと自由の尊重
監理団体や実習実施者は、技能実習生のプライバシーを尊重し、私生活に過度に干渉することは許されません。
たとえば、外出を一律に禁止したり、個人の携帯電話を取り上げたりすることは不当です。
また、妊娠しないことを誓約させるような行為や、健康保険証を取り上げて医療機関の受診を阻害する行為も禁止されています。
9.申告の権利
技能実習生は、実習実施者や監理団体が法令に違反している場合、出入国在留管理庁長官及び厚生労働大臣に対して申告する権利があります。
この申告を理由に実習生が不利益を受けることはありません。
申告方法については、母国語による相談窓口を通じてサポートが提供されます。
技能実習の流れ
― 団体監理型技能実習(受入れから修了までのステップ)―
外国人技能実習生を受け入れる際には、受入れの決定から実際に配属されるまで平均で約6~8か月程度の期間を要します。
ここでは、企業が外国人技能実習生を受け入れてから実習が修了するまでの一般的な流れを、ステップごとにわかりやすくご説明します。
Step1 受入れ準備・監理団体との契約

外国人技能実習生の受入れは、まず監理団体(協同組合など)への相談から始まります。監理団体は制度の説明、費用・スケジュールの設計、国や職種の選定、書類作成など、受入れ全体をサポートしてくれます。
- 自社の作業内容が制度上受け入れ可能な職種に該当するか、確認が必要です。
- 国籍(例:ベトナム・インドネシア・フィリピンなど)、人数、採用条件などを監理団体と相談して決定します。
Step2 候補者の募集・選考

送出機関(実習生の母国にある提携機関)を通じて募集を行い、面接で適性を見極めます。
- 求人票には業務内容、労働時間、賃金などの雇用条件を明記。
- 面接はオンラインまたは現地訪問により実施されます。
- 実技試験や筆記試験を組み合わせることも可能。
Step3 雇用契約と母国での事前研修(約3~6か月)

採用が決定したら雇用契約を締結し、実習生は母国で入国前研修を受けます。
- 日本語教育、生活マナー、法律・交通ルールなどを学習。
- ごみの出し方、金融機関の利用方法など、日本で安心して生活するために必要な基礎知識も含まれます。
- 実習生がスムーズに日本の職場や生活に適応するための重要な準備期間です。
Step4 実習計画の認定申請と入管手続き

日本側では、実習開始に向けて法的な申請を行います。
- 監理団体の支援を受けながら、「技能実習計画」を作成し、外国人技能実習機構(OTIT)に提出。
- 認定後は、在留資格認定証明書(COE)の取得手続きを入管で行います。
- 同時に、企業側では受け入れ体制(担当者の配置・宿泊施設など)を整備します。
Step5 来日・入国後講習(約1ヶ月)

外国人技能実習生が来日した後、すぐに就業が始まるわけではありません。
- 講習施設にて、日本語・生活ルール・法令(労基法、入管法など)についての集中講義を受けます。
- 防災・防犯指導、健康管理、日本の文化習慣の理解なども重視されます。
Step6 企業配属と初期対応

入国後講習修了後、実習生は受入れ企業に配属されます。
- 市役所での住民異動、銀行口座開設などを行います。
- 職場案内、宿泊施設案内、ルール説明などを行い、技能実習がスタートします。
Step7 技能実習1号(1年目)― 基礎の習得

- OJTによる基礎技能習得が中心。
- 入国後8~9ヶ月で「技能検定(基礎級)」を受験。
- 合格すれば技能実習2号(2~3年目)へ進級可能。
- 試験対策や日常的な日本語指導が成功の鍵です。
Step8 技能実習2号(2~3年目)― 応用的な実習

- 応用技能や幅広い業務への対応力を高める期間です。
- 在留資格は年次更新(1年ごと)となります。
- 良好な人間関係、適正な勤務管理、公正な待遇が重要です。
Step9 技能実習3号(4~5年目)― 熟練者としての活躍 ※任意延長

一定の条件を満たすと、さらに2年間の延長が可能です。
延長の条件(すべて必要)
- 監理団体と企業が「優良」認定を受けていること
- 実習生本人が技能検定3級の実技試験に合格していること
- 一時帰国(1ヶ月以上)を必ず行わなければならないこと(技能実習3号の1年目の間でも可)
Step10 実習修了と帰国・または特定技能への移行

技能実習は原則として帰国が前提ですが、条件を満たすことで「特定技能1号」への移行も可能です。
- 希望者には「特定技能」への在留資格変更支援も行えます。
- 実習生の多くは、母国で日本の技術を活かし、現地産業の発展に貢献します。
- 下記日本語を正しく直してください。
【まとめ】技能実習の成功は受入れ企業の協力と理解から
技能実習制度は単なる「労働力確保」ではなく、「人材育成を通じた国際貢献」を目指す制度です。
企業にとっては、受入れから修了までの各ステップで多くの準備や支援が求められますが、監理団体や関係機関と連携しながら丁寧に対応すれば、実習生の成長がそのまま企業の成長につながる好循環が生まれます。

実習可能な職種
技能実習は全ての職種で受入れ可能というわけではありません。OJTで高度な技術を修得することを目的としていることから、単純労働等での受入れもできません。またその目的から、実習中に行うべき必須作業も明確に定められています。
受入れ可能職種の中でも特に実習が3年間可能となる「技能実習2号への移行ができる職種」のことを「移行対象職種」と呼び、従事する業務内容についても規定されています。
2号移行対象職種は、2024年4月現在91職種168作業となっています。
外国人技能実習生受入のメリット

長期にわたる安定的な人材確保
技能実習生は受入れ企業で最低3年間は継続就労することが制度上約束されています(優良な受入れ企業・監理団体であれば最長5年まで延長可能)。新卒社員の早期離職が課題となる中、3年以上の就労継続が保証されている点は企業にとって大きな安心材料です。また技能実習生は原則として転職ができず同じ職場で技能を習得するため、計画的な人員配置・中長期の事業計画を立てやすくなります。
必要な人材を確保しやすい
技能実習制度は開発途上国の若者にとって日本でキャリアを積む貴重な機会であり非常に人気が高いため、募集すれば高い応募率が期待できる点もメリットです。実際、募集定員の2~3倍もの応募者が集まるケースもあり、日本国内で人材採用が難しい企業でも比較的容易に必要人数の確保が可能です。一定の初期費用はかかるものの、結果的に必要な戦力を安定確保できる効率的な手段といえるでしょう。
手厚い監理団体のサポート
技能実習生の受入れは監理団体の支援のもとで行われるため、初めて外国人を受け入れる企業でも安心して取り組めます。監理団体が日常的な生活指導から法律遵守の指導まできめ細かくサポートしてくれるため、企業単独では対応が難しい異文化コミュニケーションや各種手続きも専門家の助言を受けながら進められます。また、監理団体からの定期的な監査・指導を通じて企業のコンプライアンス意識が高まり、健全な受入れ体制の構築につながるという効果も期待できます。
職場の活性化につながる
若い外国人実習生が職場に加わることで社内に新しい刺激と活気が生まれます。日本では少子高齢化により従業員の高齢化が進んでいますが、意欲的な若手実習生の存在は現場の雰囲気を明るくし、マンネリ化した職場に良い影響を与えます。また、社員が実習生を指導する過程で「教えること」や「自社の技術を伝えること」に対する誇りが醸成され、「自分たちは国際貢献に寄与しているのだ」という意識が従業員のモチベーション向上につながるケースもあります。このように技能実習生の受入れを契機として社内の雰囲気が前向きに変化し、従業員一人ひとりの成長意欲が高まる効果が期待できます。
企業の国際化・グローバル人材育成
外国人技能実習生と日常的に働くことは、社内の国際化に直結します。異なる文化背景を持つ人材と協働する経験は社員にとって貴重な学びとなり、コミュニケーション力や対応力の向上につながります。将来的に海外進出を検討している企業にとっても、外国人と働くノウハウが蓄積できるうえ、実習生との絆が海外ビジネスの人脈形成に役立つ場合もあります。さらに、「国際的な企業である」というイメージ向上効果も見込めるため、社外に対する企業ブランディングや人材採用面でもプラスに作用します。
業務プロセスの見直し・効率化
技能実習生を受け入れる過程で、企業側が業務手順書やマニュアルを整備・見直すきっかけになることも大きなメリットです。実習生に業務を教えるためには、自社の作業工程や安全手順を改めて整理する必要があるため、結果的に社内の業務プロセスが標準化・改善されるケースが多く見られます。このような取り組みを通じて生産性の向上や無駄の削減が実現すれば、企業全体の効率アップにもつながります。技能実習生受入れは単に人手を増やすだけでなく、職場の仕組みを再点検して改善する契機ともなり得るのです。
ネクサス協同組合は、は技能実習生の受入れ支援において長年の経験と実績を積んでおり、その確かな支援力により企業様にも実習生にも安心してお任せいただけます。
技能実習制度に関する疑問、技能実習生の受入れに関するお問い合わせなどありましたらお気軽にお寄せください。
⇒技能実習生の受入れについてネクサス協同組合に相談してみる
